PRP・OPRP・CCPの違いを先に整理
HACCPの資料を読んでいると、PRP・OPRP・CCPという似た用語が並び、どこが違うのか分かりにくくなりがちです。
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結論からいうと、PRPはHACCPを支える土台となる衛生管理、CCPは危害要因を除去・低減するために特に重要な工程管理です。OPRPは、ISO 22000などの食品安全マネジメントシステムで見かけることがある用語として補足的に押さえると整理しやすくなります。
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・PRP:手洗い、洗浄、交差汚染防止、設備保守などの前提管理
・CCP:加熱など、管理に失敗すると安全性へ直結する重要工程
・OPRP:ISO 22000などで、重点管理手段を整理するときに使われることがある区分
国内のHACCP制度対応を進める実務では、まず「一般的な衛生管理」と「HACCPに沿った衛生管理」を区別して考えると整理しやすくなります。
制度上の前提:まずは「一般的な衛生管理」と「HACCPに沿った衛生管理」
厚生労働省は、営業者が「一般的な衛生管理」と「HACCPに沿った衛生管理」の基準に基づいて衛生管理計画を作成し、従業員へ周知し、実施状況を記録・保存し、定期的に見直すことを示しています。
この整理に当てはめると、PRPは一般的な衛生管理に近い土台、CCPはHACCPの危害分析の中で重点的に管理する工程として理解すると、現場運用とずれにくくなります。
一方で、OPRPという用語は厚生労働省の制度説明の中心語ではありません。食品衛生法対応の記事では、まずPRPとCCPを正しく整理し、そのうえでOPRPは補足として理解するほうが実務的です。
PRPとは?
PRPはPrerequisite Programmes(前提条件プログラム)の略で、HACCPが機能する前提となる衛生管理です。
例えば、次のような管理はPRPとして扱われることが多いです。
- 従業員の手洗い、健康管理、作業着の衛生管理
- 施設・設備の洗浄、消毒、保守点検
- 害虫・害獣対策
- 原材料の受入ルール、保管ルール
- 交差汚染防止のためのゾーニングや器具の使い分け
要するに、食品を安全に作るための環境と日常管理を整えることがPRPです。PRPが弱いままでは、CCPだけ厳しく管理しても安定した衛生管理にはなりません。
また、PRPは「CCPほど厳密ではないから記録不要」と考えるのも危険です。厚生労働省は、営業者が一般的な衛生管理を含む衛生管理計画を作成し、実施状況を記録・保存し、見直すことを求めています。土台部分の管理を形だけで終わらせないことが前提です。
CCPとは?
CCPはCritical Control Point(重要管理点)の略です。厚生労働省は、HACCPを「原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理する手法」と説明しています。
つまりCCPは、この工程を外すと安全性に直接影響するという工程です。
例えば、加熱によって病原微生物を十分に低減する工程はCCPになることがあります。ただし、ここで重要なのは「どの製品でも同じ温度・同じ時間」ではないことです。製品、工程、危害要因、根拠資料に応じて、自社の工程に合った管理基準(CL)を設定しなければなりません。
CCPとして管理する場合は、少なくとも次の要素が必要になります。
- 何を基準に合否判定するかという管理基準(CL)
- 基準を守れているか確認するモニタリング方法
- 基準から外れたときの改善措置
- 実施記録と、手順どおり運用できているかの検証
そのため、CCPはPRPよりも管理基準・監視・記録の要求が明確になります。
OPRPとは?
OPRPはOperational Prerequisite Programmeの略で、主にISO 22000などの食品安全マネジメントシステムで見かける用語です。
この記事では、OPRPを「危害分析の結果、重点管理は必要だが、この記事で説明するCCPとは分けて整理されることがある管理手段」として補足的に扱います。どの管理をOPRPとみなすかは、製品や工程、採用する規格によって変わるため、単純に「PRPとCCPの中間」とだけ覚えると誤解しやすくなります。
国内の食品衛生法対応だけを進める段階なら、まずはPRPとCCPを正しく整理するほうが優先です。ISO 22000などの規格運用や取引先要求まで視野に入る場合に、OPRPも含めて設計を細かく分けると考えてください。
PRP・OPRP・CCPの違いを表で比較
| 項目 | PRP | OPRP | CCP |
|---|---|---|---|
| 主な位置づけ | 衛生管理の土台 | ISO 22000などで整理される重点管理区分 | 危害要因を除去・低減する重要工程 |
| 考え方の軸 | 一般的な衛生管理 | 危害分析で重要だが、CCPとは分けて整理される管理 | この工程を外すと安全性に直結する管理 |
| 例 | 手洗い、洗浄、保守、交差汚染防止 | 工程ごとに設計される重点管理手段 | 加熱、冷却、金属検出などの重要工程 |
| 管理基準 | 手順・頻度中心 | 必要に応じて設定 | 明確な管理基準(CL)が必要 |
| 記録・監視 | 必要に応じて実施・記録 | 採用する規格や運用に応じて実施 | モニタリング、逸脱対応、検証、記録が重要 |
| 国内制度対応での優先度 | 高い | 認証運用がなければ優先度は下がる | 高い |
現場ではどう使い分ければよい?
迷ったときは、次の順番で整理すると判断しやすくなります。
- まず、手洗い・洗浄・保守・保管など、日常管理の土台をPRPとして整える
- 次に、危害分析を行い、「ここを外すと安全性に影響する」工程をCCPとして特定する
- さらにISO 22000などでの運用が必要な場合だけ、CCPと分けて扱う重点管理をOPRPとして整理する
この順序を逆にして、最初からOPRPまで無理に細分化すると、言葉だけ増えて運用が崩れやすくなります。国内法対応を主目的にするなら、PRPの整備不足をCCPやOPRPでごまかさないことが重要です。
よくある誤解
PRPは簡単な衛生管理だから軽く扱ってよい?
いいえ。PRPはHACCPの前提条件です。PRPが弱い職場では、CCP管理だけ厳しくしても異物混入や交差汚染のリスクを十分に下げられません。
OPRPを使わないとHACCP義務化に対応できない?
いいえ。厚生労働省の制度対応は、一般的な衛生管理とHACCPに沿った衛生管理の考え方で進められます。この記事で扱うOPRPは、主にISO 22000などの規格文脈で補足的に出てくる用語です。
CCPは多いほど安全になる?
いいえ。CCPを増やしすぎると、かえって監視と記録が回らなくなります。危害分析の結果として本当に重要な工程だけをCCPに絞るほうが、現場運用では強い設計になります。
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