PRPとCCPの違いとは?

HACCPシステムについて調べていくと、PRPやCCPといった用語を目にすると思いますが、

「そもそも何の略称なの?どういう定義なの?」

「食品安全危害を管理するものらしいけど、どう違うの?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ハンバーグの作成を例にPRPとCCPについて説明していきたいと思います。

PRPとは?

【一般的衛生管理プログラム:PRP(Prerequisite Programs )】

※HACCP システムを効果的に機能させるための前提となる食品取扱施設の衛生管理プログラム。前提条件プログラムともいわれる。

※厚生労働省≪食品製造におけるHACCP入門のための手引書≫より抜粋

施設設備や作業環境を維持する為の保守管理や従業員の健康管理、手洗いや作業服の衛生管理等の一般的な衛生管理を指します。HACCPシステムはこれらの『土台』がしっかりできていて、初めて効率的に機能する、とされています。

ハンバーグ作成工程を例に取ると、

細菌がいるミンチ肉を直接触った手でたまねぎを触ると、たまねぎにも細菌が移ってしまう可能性があります。

しかし、

①手洗いを徹底する

②原材料毎に手袋を交換する

などの衛生管理を行うことで細菌が移ったり拡散する可能性を小さくすることができます。

このようなものをPRPとして管理していきます。

一般的衛生管理については、厚生労働省が策定した「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針」などを参考にするのも良いと思います。

CCPとは?

【重要管理点(Critical Control Point:CCP)】

※特に厳重に管理する必要があり、かつ、危害の発生を防止するために、食品中の危害要因を予防もしくは除去、またはそれを許容できるレベルに低減するために必須な段階。必須管理点ともいう

※厚生労働省≪食品製造におけるHACCP入門のための手引書≫より抜粋

食品中にある、人の健康に悪影響をもたらす原因になるものを危害要因といいます。例えば、ハンバーグ作成工程を例に取ると、ミンチ肉に健康を害するレベルの病原微生物が残るという危害要因が考えられます。

手洗いや手袋の交換といったPRPが徹底されていれば、危害要因をある程度まで予防することができますが、安全性を確保するためには、原材料や製造機器などから混入する危害要因を取り除くか、安全なレベルまで減らす対応が必要となります。

そのような危害要因を除去もしくは低減する重要な最後の段階がCCPとされています。言い換えると、それ以降には危害要因を除去もしくは低減できる段階がなく、これが適切に実行されなければ健康を害する製品を出荷してしまうというような段階がCCPとなります。

ちなみに、CCPではどのような対応が必要でしょうか?

例えば、病原微生物を安全レベルまで減らすためには、加熱を行うことが多いのですが、「たぶんこれぐらい加熱すれば大丈夫だろう」では確実とは言えません。

そこで、食品の規格基準など、信頼できる客観的な数値を参考にしながら、ハンバーグであれば「90℃以上、30分加熱」といったような具体的な限界値を定める必要があります。

この限界値のことを管理基準(Critical Limit:CL)といいます。

製品に危害要因を残さないために、重要な役割を担う管理基準は、ただ決めておくだけでは不十分です。

その限界値が守られているか、継続的にモニタリングしたり、この基準が守られなかった場合はどのように対処するか?という、改善措置を設定する必要があります。

こうしていろいろなルールを決めますが、ルールが形骸化していると意味がありません。そのため、手順通りに実施されているか、温度計などの使用機器が故障していないかなど、頻度を決め、確認する活動が必要です。

そういった活動を検証といいます。

PRP、CCPの違いとは?

PRPとCCPについて、ハンバーグの例をもとに説明しましたが、まとめてみます。

まずCCPには根拠のある管理基準が必要となります。

また管理基準が適切に守られているかをチェックするためのモニタリングを実施すること、その記録を取ること、管理基準が守られなかった際の対応を決めておくこと、決められたルールに従って実施されているかどうか確認すること、などが必要となります。

簡単に表で表すと下記のようになります。

決めておく、または実施する必要があること 説明 PRP CCP
管理基準 危害要因に対する具体的な処置方法とその基準 ×
モニタリング方法 管理基準が正しく守られているか、継続的に確認できる方法 ×
改善措置 管理基準が守られなかった際の対応方法 ×
検証 決められたルールに従って実施されているかどうか確認すること ×
記録の文書化と保管 上記活動を記録し保管すること △※

※保守管理、健康管理、衛生管理などを指すPRPは、CCPほど厳格な管理や記録を要求されることはありませんが、手洗いの記録などは適切に管理したり、定期的な周知や教育がより効率的なHACCPシステムの運用につながるでしょう。

このように、そこで危害要因に対応しなければ、完成した製品が利用者の健康に悪影響を及ぼしかねない重要な段階であるCCPだからこそ、PRPより細かく、具体的なルール作りが必要になります。

OPRPとは?

ちなみにHACCPシステムでOPRPという用語が聞くことがありますが、このOPRPはISO22000やFSSC22000で定義されています。

OPRPは、PRPとCCPの中間的な観点で用いられていますが、HACCP義務化の対応では使用しない用語なので、特に意識する必要はないでしょう。